ガンガゼ|さくらウニを食べて駆除|毒のある棘に刺されたら
ガンガゼ。大変長い棘が特徴のウニです。ウニですからそれなりに価値がありそうですが、ある理由からとても嫌われています。その理由は一体何でしょうか?
ガンガゼの特徴
ガンガゼは大変長い棘を持ち、その棘を器用に動かして、1秒で3センチ程移動します。1分で180センチですから、かなりの距離を移動するため、行動範囲が広いことが分かります。行動範囲が広いということは外敵にも狙われやすくなりますが、毒をもつ長い棘がありますので、外敵から狙われにくいと言えます。
岩陰など、暗い所が好きで、群れを作る性質があります。なので海底の岩陰に密集していることが多いですね。
ガンガゼによる害
ガンガゼはとても食欲旺盛で、海底や岩場に生えている海藻やサンゴを貪欲に食べてしまいます。海藻の若い芽であっても手あたり次第食べてしまうので、「磯焼け」と呼ばれる、海底の砂漠化現象が起きてしまいます。
磯焼けが起きると、魚が卵を産み付ける海藻が生えません。また海藻に隠れるようにして暮らす小魚が定着せず、その小魚目当ての魚も来なくなります。結果として海産物が取れなくなり、漁師の方々が生活できなくなってしまいます。
ガンガゼに刺されたら|棘には毒がある
ガンガゼは毒のある長い棘を持っています。この棘に刺されるととても痛いのだそうです。また棘がかぎ状になっていて、刺されるとなかなか抜けず、途中で折れてしまうともう取り出せなくなるのだとか。このように、ガンガゼには刺されないようにする必要があります。
ガンガゼの駆除
このように「嫌われ者」のガンガゼですが、漁協からの依頼でダイバーが駆除しています。駆除する方法はとてもシンプルで、岩陰に隠れているガンガゼをハンマーのような道具で引っ張り出して、次々と割っていきます。
ガンガゼを割ると、棘が折れ、殻が割れ、ガンガゼの身が海中に漂い始めます。すると待ってましたとばかりに、魚たちが我先にとガンガゼの身を食べ始めます。ウニの身は魚にとってもご馳走ですから、ものすごい勢いで平らげていきます。
ちなみに、折れた棘や割れた殻は海底で砕け、1ヶ月もすると海底の砂の一部になるそうです。
ガンガゼを食べる
ガンガゼの身は魚たちにとってはご馳走ですが、人間にとってはあまり美味しいものではなく、ムラサキウニやバフンウニ程は流通していないようです。
長い棘が邪魔をするため、身を取り出すのに手間がかかるうえ、あまり美味しくはない。となると採算が合わないので、漁師さんは扱わないのだとか。
そんなガンガゼですが、棘をキレイに折って殻だけにして、殻を丁寧に割ってみると、5つに咲いた黄色の身が姿を現します。その姿が桜の花びらに見えることから「さくらウニ」と呼ばれ、ちょっとクセのある大人の味として好まれるようになりました。
ガンガゼ・街の声
更新しました! ガンガゼの旬は6月のはずだけど、今年は今が一番卵詰まってる感じがする
ウニの天ぷらが旨いと聞いたのでガンガゼを採ってきて作ってみた #野食ハンマープライス https://t.co/TxWiPisirp
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) September 22, 2020
本日のお目当て、天草のさくらウニが解禁ですっ
先週に引き続きプリン祭〜(●’w’●) pic.twitter.com/AHatQKTjtR— ぶっちょ (@butcho_cho) March 30, 2013